映画、あさま山荘事件
三月二十七日
ベルリン国際映画祭で最優秀アジア映画賞や国際芸術映画評論連盟賞など多数の賞を受賞している「実録連合赤軍あさま山荘への道程」という若松孝二監督の映画を見た。観客は団塊の世代の人が圧倒的に多く、狭い劇場ということもあるが立見席も出るほどの満員だった。ベトナム戦争、パリの五月革命、文化大革命日米安保反対闘争、世界がうねりを上げていた1960年代。学費値上げ運動に端を発した日本の学生運動が全国に広がり大学は封鎖された。私の通っていた大学も例外ではない。革命戦士をめざしたはずの彼らの行き着いた果てがあさま山荘事件となるわけだが、何故同士を殺害し自滅していくことになったのか、いったいその内部で何が起こっていたのか、ということを知りたくてこの映画を見た。3時間10分のしんどい映画だった。純粋で正義感の強い若者が社会の矛盾を正そうと出発したはずなのに、目を覆いたくなるほどの凄惨なリンチが行われる。集団の中にあって少し口紅を塗ったという理由だけである女性は「革命へのより高い意志」があるのかと糾弾され続け殺される。総括という名のもとに行われる殺人。組織の中にあっては上の者に逆らえない人間の弱さ、民主的なはずの組織がリーダーの独裁に変わり、その内部にあっては誰も批判出来ないことの怖さ、これはあのオームの内部の構造と全く同じである。組織は必要だが、組織というものに組み込まれていつの間にか、自由な発想を抹殺してしまうことの恐ろしさ。おかしい間違っていると気がついていても粛清が怖くてものが言えない人間の弱さ。軍隊内部でおこなわれていたことや独裁政権と同じことがその内部で繰り広げられていた。人間の哀しさ愚かしさ人間内部の深い闇を感ずる映画だった。
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コメント
連合赤軍事件は、私が高校生のころだったと思います。強く印象に残り、社会主義的運動への関心と疑問がわいた事件でした。
大学に入学してから、そうした運動に若干関わることになりましたが、その非民主主義的体質についていけずに、離れてしまいました。純粋に社会の矛盾を考える青年の心には共感しましたが、なんとも後味の悪い経験です。でも、なぜそうなるか、今でもその疑問は、消えません。映画をみてもう一度考えてみたいです
投稿: ふる | 2008年3月28日 (金) 13時51分